| 作品情報
レビュー情報
戦後、女性たちが母親として、どのように生きてきたのか、を具体的に、鮮やかに描いていると思いました。・・・・そこには、家族の幸福こそが自分の幸福なのだ、人のためにならなければいけないと、自分を殺して尽くす女性の姿がいます。・・・・・息子が死に、夫が他界し、娘を養子に出し、、、、加東大介は自分の働き場を求めて離れ、妹の預かった子は、やがて母親の元に帰るでしょう。そして香川京子は、あと数年でパン屋に嫁いでいく。そうすると、息子、夫、娘たちのために尽くしてきた田中絹代は、ひとりぼっちになってしまうわけです。・・・・それではおかしい。理不尽である。・・・・という気持ちが強くわいてくるので、泣けるというよりも、むしろ社会の仕組みについての憤りの方が強くなってしまいました。そして、香川京子のさいごのナレーション、「お母さん、あなたは本当に幸せなの」という問いかけが、強く心に響きます。・・・・・つまり、一人の母親の献身的な姿を感動的に描いた映画だったのだろうか、それともそういう不幸な女性を生み出す社会を告発した映画だったのだろうか。たぶん、その両方だったのでしょう。だから、実は、解釈が結構難しい映画かもしれません。・・・・・あと、見ていて「キューポラ~」を思い出しました。吉永小百合もいいけど、こっちの香川京子の方がかわいいかもしれない。
【王の七つの森】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-09-24 00:58:00)(良:1票)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |