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《ネタバレ》 狂人扱いされていたイスマエルがエピローグでは“父親”となり、息子と同じ目線で語り合っていたのが凄く良かった。
彼の楽団員との諍いや、主人公である母親の男遍歴や家族問題など、まどろっこしいものが渦巻くような物語の中、彼の真摯な姿によってそういったものを全部消し去ってくれたような気がしました。 このエピローグの博物館の色々な場所で色々な話をする場面ですが、同じ場所のシーンでも細かくカットを割ることでリフレインの効果が出ていて、演出的にもここは大好きなシーンです。 しかし、カトリーヌ・ドヌーヴ扮する女医との問診のシーンやその他においても同様の細かなカット割りがあったりしてやや意図が見え辛い箇所が見られたり、また突然音量が大きくなったりとか、必要以上にカメラを揺らして撮っていたりとか、気になる所もいくつかあったと思います。 ところで、癌で死んだオヤジのモノローグ。 語り掛ける内容だったことから、とても独り言とは言い難く明らかに娘に向けてのものであった訳ですが、遺言というよりもはや戯言と言うべき内容でしょう。 自分の責任とハッキリ言っておきながら、代わりに死ねとのたまう偏屈さ。 生きてる間に話し合っていればある程度は解決に向かったかもしれないのにそれもせず、面と向かって直に言えずコソコソと影で言うことしか出来ない人間の小ささ。 同じ男として軽蔑の念しか出て来ず、当然あのような紙切れなど受け入れる必要は全くないし燃やして正解でしょう。 一方のイスマエルの父親と言えば、こちらもまた家族間でいざこざを抱えていたようでしたが、物凄い勢いでウエイトトレーニングをしていたりする姿(←ここ笑うとこ)を見てしまえば、全然微笑ましくすら感じてしまいました。 他にも「あなたは正常な狂人として認められました」とか、地味に面白くて好きです。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-01-26 23:39:31)
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