Menu
 > 作品
 > シ行
 > 地獄の黙示録
 > ザ・チャンバラさんのレビュー
地獄の黙示録 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 地獄の黙示録
製作国
上映時間153分
劇場公開日 1980-02-23
ジャンルドラマ,戦争もの,小説の映画化,ロードムービー
レビュー情報
戦場に適応しまくった歴戦の勇者が、一方で戦争への適正を持たない新兵達を引き連れて理不尽なミッションを遂行する物語。どっかで見たことあるなぁと思ったら、スピルバーグの『プライベート・ライアン』とまったく同じ話でした。ジョン・ミリアスによるオリジナル脚本、及びコッポラの当初の構想では、見せ場が連続する『プライベート・ライアン』ばりの大戦争映画になるはずだった本作ですが、あらゆることがスケジュール通りに進まず、撮りたいものが撮れないという状況から、哲学性を前面に押し出したこの形に落ち着いたのだとか。。。
メイキングドキュメンタリー『ハート・オブ・ダークネス』を見れば現場の混乱ぶりがよく分かるのですが、コッポラはこの状況でよくぞ最後までやりきったなと感心させられます。また、完成した映画にはそうした混乱がはっきりと反映されているのですが、それでも作品として一定の形に収められているという点に、コッポラの天才性が表れています。現場も映画も完全に破綻しているのです。ぶっ壊れて、どうやってもまとまらないところにまで追い込まれているのに、その破綻自体を映画の肥やしにしてしまっているという神業。スケジュール通りに撮られていれば出来の良い戦争映画止まりだったかもしれない本作に、芸術作品として数百年に及ぶであろう寿命を与えたものは、この破綻だったと思います。。。
ただ、これが面白いかと言われれば、それはまた別の話。凄い映画ではあるが、決して面白い映画ではありません。序盤のキルゴアパートをピークとし、その後どんどん盛り下がっていくという観客の生理に反した歪な構成。作品の要であるはずのカーツ登場以降の地獄のようなつまらなさ。役の存在意義がわからないのにやたら目立つデニス・ホッパーと、ウィラードの前任者という重要な役柄なのに完全に忘れ去られたスコット・グレン(当初の構想ではラスボス)。結局オチが付かず、なんとなくの雰囲気で逃げたラスト。見ていて眠くなりましたね。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-11-24 02:30:00)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 141件
作品の平均点 6.66点
作品の点数分布
000.00%
121.42%
221.42%
3117.80%
474.96%
52417.02%
62215.60%
71812.77%
81913.48%
91812.77%
101812.77%
作品の標準偏差 2.25
このレビューの偏差値 50.67
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
地獄の黙示録のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS