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パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
製作国
上映時間151分
劇場公開日 2006-07-22
ジャンルアクション,コメディ,アドベンチャー,ファンタジー,シリーズもの,ファミリー
レビュー情報
《ネタバレ》 ファミリー映画として徹底的に毒を抜いた結果として敵に恐怖感や威圧感がなくなり、アクションから緊迫感が失われたという点が前作の問題点でしたが、続編ではこの点がクリアーされています。グチャグチャベチョベチョの気持ち悪いデイビー・ジョーンズ軍団は悪役としてきちんと機能しているし、フライングダッチマン号が海から登場する場面の威圧感もお見事。大ヒットに浮かれず前作の問題点をきちんと洗い出していたようで、ブラッカイマーはなかなかやる男だなと感心しました。。。と、本作を評価できるのはここまで。苦手だった前作よりはマシになっているものの、それでも本作は満足とは程遠い仕上がりとなっています。プロデューサーがシリーズの方向性を正したことで明らかになったのは、監督の演出力があまりに低すぎるということ。海賊と言えど所詮は犯罪者、味方同士であっても騙し合いが頻繁になされる物語となっているのですが、監督が人間ドラマを描けず、また各キャラクターの腹の内をきちんと整理できていないため、この騙し合いがまったく面白くありません。ラストバトルにおけるジャックとエリザベスのキスなどは最たるもので、自らの命が大事で一度は逃げたものの、エリザベスへの思いから船へ戻ったジャック、ジャックの思いを知りつつ、みんなを守るため彼を船に縛り付けて生贄にしたエリザベス、そして二人のキスを目撃してしまったウィル、この3者の思いが交錯する重要な場面なのですが、各キャラクターの心情や背景がまったく整理できていないため、見ている側は特に何も感じさせられません。場面の取捨選択もマズく、例えばジャック、ウィル、ノリントンの3人がチャンバラをする場面などは、どうせ誰かが誰かを殺すということはありえないシチュエーションなのですから、さっさと終わらせてしまえばいいのです。しかし本作ではこの緊張感のないチャンバラが延々と続き、おまけに妙に凝ったスタントまでが繰り広げられ、労力と上映時間を費やすべきところを完全に間違えています。本作はすべてがこの状態で、物語が濃密である結果としての長い上映時間ならともかく、薄いドラマや意味のないアクションを2時間半もダラダラと見せられるのですから困ったものです。面白かったのはバルボッサが再登場するラストだけなのですが、なんだかんだで続きが気になるラストを持ってくる商売のうまさには感心しました。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(吹替)] 4点(2010-08-29 18:21:36)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 219件
作品の平均点 5.28点
作品の点数分布
000.00%
131.37%
294.11%
32812.79%
43315.07%
54420.09%
64520.55%
73415.53%
8188.22%
931.37%
1020.91%
作品の標準偏差 1.79
このレビューの偏差値 45.99
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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