Menu
 > 作品
 > ス行
 > スキャナーズ
 > ザ・チャンバラさんのレビュー
スキャナーズ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 スキャナーズ
製作国カナダ
上映時間104分
ジャンルホラー,SF,シリーズもの
レビュー情報
《ネタバレ》 税務上の損金処理の関係で脚本が完成する前に撮影を開始し、かつ2か月以内に映画を完成させなければならないという無理なスケジュールで制作された作品のようで、その生い立ちに起因する粗さは随所に見られます。
人間ドラマはほぼ壊滅状態で、ベイルとルース博士の間の信頼関係や、ベイルとキムの恋愛関係など、本来は描こうとしたと思われる要素がほぼ死んでいます。ついに相まみえたレボックとベイルのやりとりは噴飯もので、レボック「俺はお前の兄だ」、ベイル「そんなもん知ったことか」で式次第通りに開始される超能力バトル。兄を殺さねばならないことの躊躇も、殺した後の後悔もなく「はい、勝った勝った」でアッサリと終わってしまうので、これでは兄弟設定を置いた意味がまるでありません。
ただしそれでも凄いと思うのが、博士が善の超能力者を刺客として鍛え上げて悪の超能力者軍団を追跡させるという、もはやマンガとしか思えない内容を至極真面目にダークに映像化できていることであり、私たちが知らないだけでこういう人たちが実在しているのではないかと観客に錯覚させるような雰囲気もあって、SF映画としては成功しています。『ザ・フライ』でも感じたのですが、生化学や生物学を専攻していたクローネンバーグはサイエンスとフィクションを繋ぐことに非常に長けた監督だと思います。
また、序盤の頭ボーンやラストの血管浮き出しバトルなど映画のキーとなるヴィジュアルを見事ものにできているし、その特徴的な見せ場を登場させるまでの仰々しい雰囲気や演出上の溜めも効いており、効果的なタイミングで物凄いものを見せるという映画監督としてもっとも重要な仕事ができていることには感心させられました。
ザ・チャンバラさん [インターネット(字幕)] 6点(2018-06-09 17:36:03)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 52件
作品の平均点 6.44点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
311.92%
411.92%
51223.08%
61426.92%
71325.00%
8815.38%
911.92%
1023.85%
作品の標準偏差 1.39
このレビューの偏差値 47.72
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
スキャナーズのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS