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虫も殺せないような、か細くて何だか可愛らしい英国の老婦人と、悪党たちのすったもんだったから『マダムと泥棒』というオリジナル版は魅力的だった。そのマダムが太っちょの黒人女性になってしまったら、それだけでオリジナルの品のよさが損なわれてしまう。(別に偏見ではなく。)それにマダムが敬虔なクリスチャンであるという設定に疑問符がつく。それはぼくが無宗教の日本人であるからか、それともラストの偽善的なオチにやっぱりとってつけたような嫌らしさを感じてしまうからか。大体トム・ハンクスの狙いすぎの過剰なコメディ演技も鼻につくのだ。そういった不満もあるが、往々にしてよくできてはいる。勿論リメイクはオリジナルに忠実にあるべきだとも思わないかし、オリジナルをうまく現代風に換骨奪胎していると思う。後半のオフビートな笑いの連続も功を奏している。ただ、今世紀に入ってからのコーエン兄弟ってどれを見てもいまいちぱっとしない。結構どうでもいい。結局は前世紀の映画作家なんだな。音楽は相変わらずいいけれど。
【キャプテン・セントルイス】さん 6点(2004-07-23 00:57:44)
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