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原作は、山本昌代。古典落語「三年目」のプロットを広げています。「三年目」は、死別3年目にしてようやく化けて出てきた女房に泣き笑いしてしまう、暖みのある落語です。本作の舞台は現代ですが、萩原健一の味のある演技が古典落語の雰囲気を漂わせていて、よかった。ただ、後半、豊川悦司のからむあたりからトーンが変わり、演出がだれてきます。「生きている人間の方が大事」というのは、本音ではあるのでしょうが、その台詞のはきかたにまったく「痛み」が感じられません。ラストの大団円も、安易です。過去を清算して終わりではなく(人ひとり、殺していることですし)、亡くしたものを置いて先にすすまなければならない人の辛さとたくましさを思わせるような、味のある終わらせ方をしてほしかったと思います。
【DONGYAOS】さん 6点(2004-07-03 01:16:43)
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