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《ネタバレ》 ここのレビューで、本作がアンチヒロイズムの西部劇であることは知ってましたが、あそこまで徹底しているとは思いませんでした(例えば、遺書(!)を書いたり、銃撃戦のオチなど)。ところで、他の方も書いているように、真昼の汽車で戻ってくる悪党がいかに凶悪犯罪者なのかの描写が希薄だったため、保安官や市民のパニックぶりがいまいち説得的には見えませんでした。しかし、よくよく考えてみると、これもアンチヒロイズムを際立たせるために注意深く考えられた設定だったのかもしれません。もし、悪党の極悪非道ぶりを示すエピソードを組み込んでいたとしたら、鑑賞者は、ケイン保安官が悪党に恐れを抱くのを無理もないと思い、彼の恐怖心を理解するでしょう.しかし、それは同時に、ケインのような保安官でなくても、例えば、ジョン・ウェインが演じてきたような典型的な保安官からも、恐れられる悪党ということにつながる可能性があり、その場合、本作のアンチヒロイズムは弱められることになってしまいます。このように細部に至るまでアンチヒロイズムを徹底させた異色の西部劇として、少なくとも一度見ておいて損はないと思います。
【オデュッセウス】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-09-03 05:19:19)
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