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《ネタバレ》 原作未読だが、出版当時ベストセラーになっていたので大まかなストーリーくらいは知っている状態で鑑賞。
本作は実話に基づいていることに加え、一にも二にも有村架純がはまり役だったことに尽きる。 有村は自分の気持ちに正直で無邪気な主人公「さやか」を大変魅力的に演じていた。彼女の代表作の一つにしていいと思うくらいだ。 どこまでも子供の可能性を信じ「この子はいい子なんです」と我が子を尊重し続ける母親や根っから前向きな塾講師と、一方で全身全霊を息子に傾けて自分の夢を押しつける身勝手な父親や教え子をクズ呼ばわりする担任教師という対照的な構図の中で、当然ながら最後は母親+塾講師・さやか組が勝利するわけだが、受験や部活をめぐる親との葛藤は誰しもが経験した題材であるし、さやかを中心とした登場人物の感情描写(および役者の演技)が大変うまく、わかっていても感情移入し心を動かされるシーンがいくつかあった。 また塾講師の「やればできると言わないでください。やってできなかったら余計に自信を失いますから」というセリフも印象に残った。 本作は、子供は関わる大人によってどうにでも変わりうること、そして一人の人間が変わることが周囲をも変えるほどの力があるという普遍的なメッセージを内包しつつ、鑑賞後に爽やかな余韻を残す良作だった。 【田吾作】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2016-02-15 11:50:48)
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