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単純に、猟奇系作品として観るならば、つまりは原作を無視して観るならば、そこそこ面白く仕上げられていると思います。全編を通じて色彩も美しく演出も確かです。陰惨な題材ながら、あまりそれを感じさせない。原作を未読、あるいは読む予定がないのであれば、これはこれで良いのではないかとも思えるところです。
でも、京極作品を読み続ける愛読者としては、根本的に許しがたい部分が…。ひとつには登場人物の描き方。スタッフは違うと言えども、前作(?)「姑獲鳥の夏」でも同様のレビューを書かせていただきましたけれど、あまりに原作の人物像と乖離し過ぎ。京極堂シリーズの数多ある魅力のひとつは登場人物のキャラクター設定。そしてその人間関係。それが全く生きていない。これではいけません。(ちなみに、キャスティングはそれほど外してないとは思います。ただし、関口は前作の永瀬正敏の方がイメージ近いかな?) そして、何と言っても困ってしまうのが、最大の見せ場である「憑物落とし」の場面。これじゃぁ落ちませんよ。その原因は、やっぱり作品を短縮しすぎてるからじゃないかなぁ。。。 というわけで、次作に期待?ただし、もっと長尺にしてね。観客泣かせになるぐらいに。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [映画館(邦画)] 4点(2007-12-31 00:56:47)
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