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《ネタバレ》 何から何まで胸クソ映画でした。てか、それは決して批判的な意味ばかりではない、と言うか殆ど褒め言葉ですが。
冒頭のブラックアウトしたスクリーンとそれに続く心臓外科カットが長過ぎな感じがして、もうその段階でゾワゾワとイヤな予感が。そして登場する主人公家族の何とも歪でドンヨリした空気。親子関係も夫婦関係も異様。純粋な意味での幸福感は微塵も感じられない家庭。 更に火に油を注ぐかの如く登場する謎の少年。このバリー君、他の出演作品でも振り撒いていた不気味と言うか正体不明というかそんなオーラが出まくりですね。「ロブスター」の時の雰囲気をそのまま持って来たような一触即発イカレオヤジを演じるコリンさんを完全に食ってる感じです。勿論、相変わらず美しく体当たり演技的なニコールさんも食われ気味。怪演と言うか怪優と言うか、存在感は半端ないですね。 二人の子どもたちもこれまた素晴らしい。ともにグリーン系の瞳が美しく、この微妙な役どころをキッチリこなしてくれて「子役」という雰囲気はまるでない存在感です。 そして何より、全編通してカメラワーク、BGM、照明などなど、この監督の非凡さというか胸クソセンスが全開です。見事に惹き込まれました。 当たり前かもしれませんが、現実的に考えてはいけないのでしょう。答えがあってないような寓話。言ってみれば人間の本性というか暗黒面をテーマにしたダークファンタジーですね。個人的には大嫌いだけれど好物という矛盾したジャンル。大嫌いだけれど気に入りました。 ところで、「聖なる鹿」ってシンプルにボブなのかなぁ?オヤジが居ないときは主の如しと言われてもいたし。なんとなく宗教的な色彩を感じないこともなく、それとも長女の書いた作文の題材がモチーフ?タイトルの謎はイマイチ解けず仕舞いです。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-05-27 00:26:52)
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