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《ネタバレ》 ホラー仕立てで始まり、社会派サスペンスの様相を呈しつつ、SFスリラー風味を匂わせた上でモンスターパニックへと雪崩れ込む。一粒で一体何種類の味わいを楽しませようというのだろうか?よくぞ破綻することなく纏め上げた監督の手腕は称賛に値すると思います。
ただ、あまりに風呂敷を拡げ過ぎたと言うか、蒔いた種は一通り育て上げ収穫しているとは思いますが、長尺の割にはテーマが十分に伝わって来ないような気がします。ヘイウッド家のエピソードとリッキーのエピソードが牧場を接点として交錯しているようでいて、いや実際交錯しているのですが、どうも無理やり感があると言うかしっくり来ないものがあります。 リッキーの子役時代の惨劇が象徴するもの。チンパンジーの求めたグータッチの意味は何であったのか?「望みを叶えてあげたよ」という風に解釈するのが自然とも思われますが、それでは何故リッキーは空に潜むアレとの密約を交わす必要があるのか?もっともアレの方は密約とは思っていなかったようですが…。 一方、社会的障壁を乗り越えハリウッドでの立ち位置を守り、必死の思いで馬たちを育てていた父親の不慮の死の意味するものは何だったのか?OJの始終塞ぎ込んでいるかのような表情。彼の感情を圧し潰しているものは何なのか?それはエメラルドの破天荒さにも通じるものと思えますが。 気になる点は他にも多々ありますが、何せ基本的には全編通じて緊張感が途切れることなく惹きつけてくれる作品だけに、単純に「あぁ面白かった」と言わざるを得ません。 何とも不思議なテイストの作品。監督の次回作を早く観てみたいところです。 (追記)アマプラで流れる予告編。本編には同一カットがないような気がしてなりません… 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-05-24 23:16:55)(良:1票)
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