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《ネタバレ》 原作未読です。
主人公の桃子は、どう考えてもとんでもないストレスに晒されて生活しているに違いないのに、整理整頓清潔な暮らしに励み、義母に心から優しく接し、ゴミ捨て場が汚れていれば率先して清掃し、手作り石鹸教室では懇切丁寧に指導する。嫌な顔ひとつせず疲れた顔を見せることもなく、彼女の暮らしぶりは主婦として妻として模範的としか言いようのないもの。それなのに報われない。何故? 報われないどころか、可愛がっている飼い猫は姿を消す、ゴミ捨て場では不審火、手作り石鹸教室で提案した新企画は無視、更には夫の不倫等々、日々の小さなストレスが蓄積しているところに大きなストレスの波が覆い被さる。そりゃ錯乱してしまうでしょう。 ところが、桃子のストレスが怒りに転じてピークに達したところで明らかになる過去。え?そうだったの?他人のこと言えないじゃん!という新事実。放った矢が巡り巡って自分に当たってしまった構図。ハッピーエンド?エンドロールの背景に鳴る靴音は新たな船出?違うんだろうなぁ…。 主演の江口のりこさんが素晴らしいです。甲斐甲斐しい妻のパートでは可愛らしく、怒りに震えるパートでは底知れぬ恐ろし気な迫力。難しい役どころを見事に演じ切ってますね。次の主演作が楽しみです。 タイトルの「愛に乱暴」って、シンプルに主人公の生き様なのでしょうか?日々の暮らしは丁寧に。でも、愛については乱暴に。日々の暮らしには冷静に対処(夫も認めている)出来ているけれど、こと愛に関しては激情的になってしまう。そんな彼女のキャラクター?夫については「乱暴」じゃなくて「乱雑」な気がします。 ちなみに、本作は神奈川県綾瀬市のフィルムコミッションを活用。個人的に馴染みのある土地故、ご当地映画的楽しみも出来て一粒で二度美味しかったです。なので、そこに+1! 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(邦画)] 7点(2025-05-29 21:51:06)《更新》
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