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紙屋悦子の青春 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 紙屋悦子の青春
製作国
上映時間111分
劇場公開日 2006-08-12
ジャンルドラマ,戦争もの,青春もの,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
セット中心の撮影と長回しによって、あえて戯曲を忠実になぞる試みである。
それによって、メインとなる見合いシーンはほぼ実時間に近いのだろう。
時刻に関する会話や時計音の演出もあって、ぎこちなくも切実な一瞬一瞬の
「時間」が印象づけられる。
冒頭約10分間にわたる現代パートのロケシーンを配置して映画を回想形式にしたのも、
夕刻の光の推移と共に、約60年間という二人の戦後の時間を意識させるための
ものだろうか。

舞台を限定し、松岡俊介の手紙の件りなど伝聞スタイルを活用すること。
紙屋邸前の石段のセットや、襖奥での会話といったオフ空間をよく利用していること。
それら観客の想像力に訴える手法は効果的で『永遠の0』の山崎貴なども
見習ったらどうかと思うが、これは単に舞台劇演出の援用でもある。

ならば肝心な原田知世の慟哭シーンこそ、襖の奥の悲痛な哭き声だけを
聴かせなければならなかったのではないか。舞台では間違いなくそうしたはずだ。

このシーン、映画の多角的な視点が逆に仇になってしまっている。


ユーカラさん [DVD(邦画)] 6点(2014-08-31 22:27:14)
その他情報
作品のレビュー数 20件
作品の平均点 6.60点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 2.01
このレビューの偏差値 48.51
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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