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婦系図(1942) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 婦系図(1942)
製作国
上映時間101分
ジャンルドラマ,モノクロ映画,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
石灯籠が並ぶ月夜の湯島天神境内の風情が麗しい。夜霧の漂う中、軟らかなライティングで梅の花の白が美しく滲んでいる。ここで主税(長谷川一夫)がお蔦(山田五十鈴)に別れ話を切り出すのだが、梅の木の幹に沿った上昇~下降~寄りの滑らかなクレーン撮影が醸しだす情感が二人の芝居とシンクロし、絶品である。これと同じ移動撮影が第二部後半同じセットで反復されるが、全く同様のカメラワークが今度は逆に舞い散る枯葉と寒々しい風音といった差異を際立たせ、彼女の孤独をより強調する効果をあげている。また美術的見どころとして第一部クライマックスである新橋駅の場面も素晴らしい。駅全景から改札そしてホームの人込みまでを延々と横移動で捉えた美術セットのスケール感、エキストラの規模は実景ロケと見紛うほどであり、別れの場面を細かいモンタージュを駆使して最高潮に盛り上げる演出も圧巻である。映画版の独創であるラストも優れた照明技術によって情緒に満ちた名場面だ。
ユーカラさん [映画館(邦画)] 9点(2009-04-05 23:04:36)
その他情報
作品のレビュー数 3件
作品の平均点 8.00点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.41
このレビューの偏差値 55.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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