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海炭市叙景 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 海炭市叙景
製作国
上映時間152分
劇場公開日 2010-12-18
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
小林薫、加瀬亮ですら、登場当初はそれと判別できない。南果歩に至っては最後まで気づかなかった。それほど、彼らの風貌は地方都市生活に馴染んだ趣をみせる。
現地の素人キャストらが演じる脇役たちの佇まいも、生活実感に基づいたロケーションや照度を落とした映像と相俟って見事な存在感を放つ。
夜半から夜明けにかけての函館山からの望遠や路面電車の風情など、当地映画としての魅力も強かに保持しながら、北海道ロケ作品にありがちな美景ショットや、安易に心象を仮託するような情景ショットに陥っていないのは、まずもって生活地としての風土の叙景に徹している故だろう。
その上で、小林薫の一家が見上げる美しい夜空や竹原・谷村の兄妹が手を繋いで渡る踏切と坂道、あるいは白く煙る半島を三浦誠己がフェリーの甲板から見つめているショットが深い情感を呼び込む。
兄妹の繋ぐ手、猫を撫でる老婆の手、酔漢を制する手など、冬の映画の中で手のアクションがささやかな温もりを伝えている。
ユーカラさん [映画館(邦画)] 8点(2011-01-29 15:50:02)
その他情報
作品のレビュー数 15件
作品の平均点 5.27点
作品の点数分布
016.67%
100.00%
216.67%
3213.33%
416.67%
5213.33%
6320.00%
716.67%
8426.67%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 2.38
このレビューの偏差値 54.83
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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