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舟を編む のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 舟を編む
製作国
上映時間133分
劇場公開日 2013-04-13
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
宮崎あおいの「上で食べよう。」のシーンから、十二年後のシーンへ転換する鮮やかさ。
のちに登場する「香具矢さんは馬締さんの配偶者なの」といった台詞の妙が
石井監督らしくて面白い。

または、加藤剛の死去の場面。
病院の廊下に立ち尽くす松田龍平の横顔から、喪服姿の松田・宮崎が傘を差しながら
坂道を登ってくるロングショットへと画面は転換する。
そして二人が蕎麦を一口すする静かな食卓のショットが窓の雪を映し出す。
そのカメラワークが情感に溢れ、素晴らしい。

この手の物語でありがちなパターンである、
結婚式やら恩師の死やらの劇的イベントに時間を割いて感傷的に盛り上げるといった
媚びになるシーンをことごとく割愛してみせる節度ある姿勢に
非常に好感を持つ。

酒を飲めなかった黒木華が、ビールを一気に飲み干す。
吃音っていた松田龍平が、自然に仲間たちと会話を交わし、チームを統率する。
ツマを盛りつけていた宮崎あおいが、凛とした立ち姿で主菜をふるまっている。
外見の変化だけに頼ることなく、具体的な行動の変化によって
時の流れと人の成長を描く。そうした演出方法も真っ当だ。

ほぼ全てのキャラクターが善良すぎる点は玉に瑕だが、
オダギリジョー、小林薫、伊佐山ひろ子などなど、いずれの配役も味がある。
書物の積み重なる編集部や下宿の内装美術も相当に凝っており、素晴らしい。
ユーカラさん [映画館(邦画)] 8点(2013-04-18 23:58:22)
その他情報
作品のレビュー数 94件
作品の平均点 6.59点
作品の点数分布
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100.00%
211.06%
333.19%
444.26%
51212.77%
61819.15%
72728.72%
82627.66%
933.19%
1000.00%
作品の標準偏差 1.45
このレビューの偏差値 56.76
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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