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観光名所の絵葉書ショットも題材も、海外マーケット狙いの思惑が見え透いて辛い。
そうなると、赤いワンポイント小道具や、上白石萌音と富司純子が正座しての 正対切り返しや、そこでの富司の台詞中に挟まれる6つの空ショットといった 周防監督の小津趣味も、海外への目配せと勘ぐってもしまう。 常連組の馴れ合いじみた箇所も余計に感じるし、ミュージカル部分も各役者に無理に 割り当てていないか。この作品なら二時間を切るのが妥当と思う。 オープンセットではないだろうが、長谷川博己と上白石が連れ立って歩く橋の横手の柳 が風にそよいでいたり、水遣りのあとか、雨のあとか、石畳が湿って 光を反射していたりといった細やかな仕事は基本に忠実である。 草刈民代が上白石に化粧を施し、竹中直人が初お披露目に同伴するシーンの 厳かな美しさも良いが、何より富司純子のショットには常に敬意が払われている のも美点だ。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-09-15 20:01:28)
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