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未完成交響楽(1933) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 未完成交響楽(1933)
製作国オーストリア,独
上映時間88分
劇場公開日 1935-03-
ジャンルドラマ,モノクロ映画,音楽もの,伝記もの
レビュー情報
アバンタイトルの風景画が粋にドラマへの導入を果たす。

ヴァイオリンを愛おしそうになでる手、ガラスに映る主人公のシルエットと、窓口を介したシューベルト(ハンス・ヤーライ)と質屋の娘(ルイーゼ・ウルリッヒ)の出会いのカットバックがまず素晴らしい。

質屋のチャイムの音色はさりげなく反復対比され、主人公の心情表現として響き、その窓口で娘が客を応対する声音の対比も、彼女のときめきを伝える。

あるいは彫刻の破砕音が凶兆を仄めかすなど、歌曲・楽曲だけでなく、風物を含めた様々な音響の活用にもトーキー初期の意欲が漲っている。

一方、天秤やメトロノームといった小道具の活用や、縦横無尽の巧みな移動ショットの充実ぶりも眼を瞠る。

小津のトーキー第一作『一人息子』の劇中にも借用された、マルタ・エゲルトが走る麦畑の横移動ショットがやはり際立って見事だ。

『一人息子』の日守新一は横で居眠りする飯田蝶子に目をやりながら、スクリーン上の主人公の姿に身につまされたのかも知れない。
ユーカラさん [ビデオ(字幕)] 8点(2011-11-12 17:00:43)
その他情報
作品のレビュー数 14件
作品の平均点 6.57点
作品の点数分布
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6214.29%
7535.71%
8321.43%
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作品の標準偏差 1.59
このレビューの偏差値 55.65
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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