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《ネタバレ》 全編を貫くのは「見る」という主題。人造人間識別機の画面に映る瞳、潰される目、眼球製造者、フクロウの目。画面の到る場所に様々な「瞳」が提示される。人間は識別機を通してしかレプリカントを判別できない(直接視覚の無力)。ハリソン・フォードがエレベーター内のショーン・ヤングに視覚では気付かない場面なども象徴的だ。これを画面上で補強するのが、闇の領域と蒸気・雨を大きく取り入れて視界を遮るノワール風照明設計である(ブラインド等の使い方も秀逸)。この映画はその盲目的人間が、目を閉じ頭を垂れたルトガー・ハウアーとの視線の切り返しを経て「開眼」(夜の闇から晴天への転換)するドラマともとれるだろう。ラストで対峙するルトガー・ハウアーの見開いた瞳は映画冒頭の「青い瞳」へと回帰し、その台詞「オリオン座の片隅で燃える宇宙船」「タンホイザー・ゲートの側で輝く星」が、映画のファーストショット(夜景と炎の俯瞰)と重なり直結していく巧妙な構成が非常に見事である。
【ユーカラ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-10-11 19:56:35)
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