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花が咲いてたら「花が咲いてる」と言い、蛙が鳴けば「蛙が鳴いてる」と言う。暑いからと襖を開けた途端に、セミを鳴かせてみたり。壇れいが口づけするにも理由が要りやがる。しまいには盲目になった木村拓哉の目の前の庭で光るホタルに対し、壇れいに「ホタルはまだ出てない」と言わせてしまう。あるいは、市井の人々を描くという事を、慎ましさであったりささやかな生活へと安易に変換させる態度。それらが、何の視点も持たない画面が、まるで巨匠・山田洋次の得意技であるかのごとく、歯切れの悪いカット割りで次々と展開される。仮にそれらに目をつぶったとしても木村拓哉のクローズアップで行われる心理描写のウザさは如何ともしがたく、月9か何かで「ちょ、待てよ!」と言ってるキムタクの方がまだテレビだけに安心して見ることができる。時代劇映画が、山田洋次という別に一流でも何でもない監督によって、こういう形でずるずると延命させられているのを目の当たりにするのは何とも耐え難い。
【Qfwfq】さん [映画館(邦画)] 3点(2007-01-07 02:37:43)(良:3票)
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