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《ネタバレ》 ハンニバル・レクターは、復讐とカニバリズムと死体の偏愛がごっちゃになっていて役柄が全然見えてこないし、そのため彼を追う刑事の存在も非常に曖昧、なのでこの映画の主筋の弱さは明白であり、しかもその主筋にやたらと関わるオリエンタリズムは日本人でなくても失笑モノの錯誤振り(要するに日本刀が使いたいだけ。でもその単純な欲望が意外と好きだったりする)。但し、ハンニバルを引き取り、武士道精神のようなものを彼に教えつつ、次第に危うい関係になっていくレディ・ムラサメことコン・リーは捨てがたい。コン・リーはハンニバルを守る為に体を張る。それは意識されたものではなくてほとんど反射的に行われる行為であり、異常性格や過去のトラウマでぐちゃぐちゃになったハンニバル以上に、「ヒロシマ」という言葉が出るくらいで後は写真でしかその過去が語られないレディ・ムラサメは映画的な存在と言っていいし、それ以上の特別な何かになろうとしていない、つまり役柄に徹している。矛盾するようだが、この映画はハンニバル・レクター的なものが薄まれば、いい映画になっていたかもしれない。
【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-04-29 02:26:48)
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