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贅沢な贅沢な映画である。極めてわかりやすい形のメロドラマであるにもかかわらず詩人ジャック・プレヴェールのオシャレな脚本が人物に息吹を与えることに成功しているだけでなく、当時の様子を忠実に再現したであろう巨大なセットによる素晴らしい美術に圧倒されることは間違いない。長丁場を感じさせないテンポのよさ、舞台と実際のストーリーが交錯しながらラストの別れへと向かう。このラストシーンでは、それまでは少人数の人間が中心となって動いていたストーリーに、突然大衆が割り込んでくる。そういえば「もののけ姫」でも、サンとアシタカを引き離したのは結局のところ兵士の大軍であったように(これは監督の意図であったそうだ)運命という巨大なうねりが個人に降りかかるというのは結末への口実として一見都合が良い手段に思われそうなものだが、こういう開き直りは個人的に結構好きだったりする。フランス流時代劇として必見の一本といったところか。
【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-01-20 19:10:55)
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