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《ネタバレ》 これは映画館で観るべき映画。フィルムの使用残り断片を使って撮ったため、シークェンスが切れ切れになり、随所にブラックアウト画面が挿入されることになった、と封切り時の紹介にあった。フィルム断片の長さがほんとにまちまちなので、この辺でブラックアウトするな、という予測がまったく成り立たない。映像のつながりが不意に途切れ、映画の意味を見失う瞬間が心地よい。それには映画館の暗闇が必要。自宅リビングで消えたテレビ画面を睨んでてもダメでしょう。映画の中のシチュエーションもストーリーもありがちのものだけれど、映画の中と映画の外(ブラックアウト)を予測不能の間隔で往復させられる体験は、この映画に固有の効果。世界のつじつまが外れて行く、というのはジャームッシュのこだわりだけれど、この映画は、ブラックアウト画面を観させられるときに、一瞬、観客自身もつじつまの外れた世界に入り込むような錯覚が生じる。
【哲学者】さん 9点(2004-07-03 12:30:40)
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