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《ネタバレ》 松竹版よりはマシ。何がって、犯行の動機が、ちゃんと原作通りだったこと。そこに犯人の気持ちがあった事。まあ、考えてみれば当たり前だけれども、タダの相続狙いの殺人と言えども「愛の物語」として描いた『犬神家』から始まり、事件の核心には必ず人間のドラマがあった、この市川版シリーズとしては、ここのところは重要だったはず。そしてもちろん、観る側もそのほうが面白い。クイズやパズルを見にいっているのではないのだ。
とはいえ、そこんトコロ描き切れているかというと、微妙。お約束を楽しみにしている人もいるようだが、毎回同じ事やる警部(この事件は等々力じゃなくて磯川だよね、ホントは)の件を削ってでも、もうちょっとその辺に力を入れて欲しかった。大体、あの人は同じ人にもかかわらず、何故いつもいつも金田一を知らんのだ? で、この映画、今までの、少なくとも『女王蜂』までと比べると、何かが違う、何かが足りない感じがする。特徴を備えていない感。おどろおどろしさ?時代性?過去が現代に仕掛けている禍々しさ?そういった「テイスト」が感じられないのだ。あれほどの猟奇事件があるのに、だ。巧くは言えないが。だから、と言うのも、おかしな評価の仕方だが、イマイチ期待には答えていない感じ。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-08-09 16:06:08)
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