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本作のストーリー自体はそんなに目新しいものはない。この作品の感想を書こうとすると、どうしてもロメロ監督の「ゾンビ」が先行して頭に浮かんできて、どうも書き辛い。ただ、この作品独自の売りの、ゾンビの移動速度と量はなかなか見応えがある。映画の冒頭部分に猛ダッシュで襲ってくるダンナのゾンビは圧巻で、車を追いかける最中に進路を変え他の住民を襲うというのもヤケにリアルで怖かった。また噴水付近でゾンビと揉み合うシーン等もゾンビの凄まじい迫力を見せてくれる。
やはりこれらのゾンビアクションがとても新鮮味に映ったのは、本監督が今までにないゾンビの概念を切り開いた事だ。それは同時に監督の、ロメロやゾンビに対しての強い思い入れや畏敬の念があるからなのだろう。ゾンビを歩かせていては、「ロメロゾンビ」以上の恐怖を描くことはできない。だったらいっそゾンビを走らせてみよう、というのがおもしろい閃きだ。しかしだからといって、量は減らさないし頭を撃てば死ぬ。ゾンビのルールを守りつつ新たなものを切り開いてみせた。これだから「ゾンビ」ファンにはたまらないであろう。 これからのゾンビ映画はどうなるのだろうか。このゾンビ全速力を踏襲していくのか。又は、より新しいルールを打ち立ててくれるのか。それともここが終点なのだろうか。本作を見た限りでは、まだまだ不完全なのではないか、と思う。それだけに期待感も十分な訳だ。もっと見せてくれ。 【ホーラン℃】さん [DVD(字幕)] 10点(2004-09-18 22:01:45)
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