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《ネタバレ》 製作にツイ・ハーク、監督にリンゴ・ラムというハリウッドで言うならばさしずめ“監督:スティーブン・スピルバーグ、製作総指揮:ジョージ・ルーカス”という豪華なスタッフ。
しかしキャストは新人やマイナー系俳優で固めているという変な映画です。 物語は焼き討ちに会った少林寺から逃げ出した方世玉ら少林寺英雄が清朝に戦いを挑むという『嵐を呼ぶドラゴン』と同じ題材を扱うも、こちらは紅蓮寺という所々に罠が仕掛けられた要塞のような寺を舞台に物語は展開。 しかも仲間の殆どが囚われた挙句、洪熙官が敵側に寝返ってしまうというと言うオマケ付き。 とにかく舞台が終始敵陣の閉鎖的な空間で展開されるため、強烈な悪の匂いすら漂ってきそうな危うい雰囲気。そして、そこからまず逃れられないという絶望感・緊迫感は半端ではなく、全編只ならぬ危機感に溢れた佳作に仕上がっています。 そしてこの作品に更にリアリティを加えているのは、老色鬼というバケモノじみた悪役の魅力に請け負うところが大きい。 「部下に勝ったら逃がしてやる」と言ったくせに戦闘の最中、顔色も変えずに門弟を串刺しにする冷酷さ。 ヒロインを強姦しようと試み「犯すならばやれば!」と女が観念しようものなら「簡単に股を開くなぁぁ!それでは萌えん!」と要求する鬼畜ぶり。 寺に仕掛けられた罠を取ってみても、ネチネチと追いやる執拗さが垣間見える等何処を切っても徹底した悪役ぶりであります。 …ムムム、ニクイ! 小憎たらしい悪党を描かせると右に出るものはいないと云うリンゴ・ラムの面目躍如でしょう。 ただそれほど悪役が素晴らしいだけに、この主人公をはじめとする善側のカリスマ性の無さは観ていてちょっと辛い。 アクションの方もまあ及第点と云った感じでとりわけ評価すべき点が無いのも残念。 ストーリーの礎が素晴らしいだけに、もう少し他の点にも趣向を凝らして欲しかった。 【カニ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-02-26 01:23:23)
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