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《ネタバレ》 金子信雄が演じる山守組長のウソ泣きには大いにウケた(笑)。ありゃ卑怯だ(笑)。結局は打本の八方美人と槙原の臆病っぷりのせいで、山守と広能の親子ゲンカの構図になってしまったわけだけど、(幹部同士の些細なケンカなのに)日本の黒社会の縮図を感じてしまう。こんなくだらない理由で末端のチンピラが血で血を洗い合うのかと思うとあきれてしまう。これではあまりに猛がかわいそうだと思ってしまう。任侠道を踏み外していないヤクザが広能しかいないのに、絶縁状を受け取ったときの広能の表情たるや、やり切れない気持ちが痛いほど良く分かる。この映画は、実は猛が主人公だと思うんだけど、ラストの母親の涙がこの抗争の無意味さとやるせなさを後押ししている。上の人間のシノギの犠牲はいつも若い命。もしかしてこれは反戦映画だったのか?と思いつつ、カタギの者をも惹きつけるこの映画を撮った深作欣二という監督はスゴイ。極道映画といえど、この仕上がりと緊張感はまさにトップレベル。ヤクザを肯定しないけど、この映画だけは別です。素晴らしい。
【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-01-28 20:23:20)
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