Menu
 > 作品
 > テ行
 > ディア・ドクター
 > たんぽぽさんのレビュー
ディア・ドクター のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ディア・ドクター
製作国
上映時間127分
劇場公開日 2009-06-27
ジャンルドラマ,コメディ,医学もの
レビュー情報
《ネタバレ》 主人公伊野治、その場に溶け込んでいるが、何を考えているか良く分からない。
中心人物だけど、どこか得体が知れない。
笑福亭鶴瓶さんのふわふわとした持ち味を生かし、そこに西川監督をはじめ芸達者な脇役陣の演技もあいまって、今まで見た事の無い人物を作りだしたと思います。

これだけ印象的なお話しなのに、主人公がぼやけているって、凄いことだと思いませんか?
名優の方をあえて使わず、鶴瓶さんにお願いしたのは大正解だと思いました。

そして、私は(看護士ではありませんが)大竹看護士のような仕事をしているので、余貴美子さんの上手さには舌を巻きました。
良くも悪くもすべてを飲み込んで、ドクターと診療所を回していく。
手際のよさとベテランの雰囲気がこんなに出せるなんて、余さんの演技に敬意を表します。
香川さんの製薬会社の営業さんも実に上手い。
私の知っている営業さんと、雰囲気そっくりなのですもの。

それから、松重豊さんの演じる波多野巡査部長。
ここまで言わなくとも良いのにと思えるほどの、ヒリヒリしたセリフ。
西川監督の突き詰めて、ここまでもさらに突き詰める気持ちが、この役で表されているなと思いました。

実に痛い、いたたまれない、空気がよどんで緊張している。
キム・ギドク監督は針で刺され痛いが、西川監督は「言葉」と「気持ち」が痛い、突き刺さる。
突き刺されると分かっていても、真実を教えてもらえるその深さは、私にとってはかけがえの無いものです。

私は明日からまた仕事ですが、この作品を観たことによって自分の職場での立ち居地について、別の見方が出来たような気がします。

何となく「ある」感覚について、今まではなにかもやもやと分からなかったこと。
それがある時、言葉によって理解でき整理出来た時、私はちょっと前に出られた気がするのです。

この作品によって気づかされました。
どうもありがとうございます。

そして八千草薫さんの存在は救いです。
大事な大事なもの。
聖母マリアのようなお姿に心が洗われました。
たんぽぽさん [映画館(邦画)] 10点(2009-07-05 22:39:04)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 75件
作品の平均点 7.05点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
311.33%
434.00%
579.33%
61114.67%
72533.33%
81621.33%
91013.33%
1022.67%
作品の標準偏差 1.44
このレビューの偏差値 64.19
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
ディア・ドクターのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS