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《ネタバレ》 観ても共感できない人も多いでしょう。
世界観も雰囲気もご自分と合わない方も多いことと思います。 しかし、私にはとても面白かった。 心の琴線に触れました。 あたかも美術館で一流の絵画や芸術作品を鑑賞したような高揚感に包まれました。 芸術的だし高尚だし、監督と撮影監督の才能に惚れ惚れしました。 現実と幻想についてはこちらでレビューされているとおりだと私も同感です。 この作品で素晴らしいのはその語り口です。 あざといと言われそうなほど人物と近い近いカメラワーク。 ワンカットかと思わせるほど切れ目なく物語が語られて行きます。 息つくところがない、緊張しっぱなしで、さあ付いてきてねという作品です。 そこをなんとか疲れながらも付いて行くと、ある時ふっと画面に惹きつけられ高尚な気分にさせてもらえます。 自分がスクリーンにとても近く感じました。 じゃあそのまま、私の思うとおりに楽しくお話が続くかと思えば、大間違い。 現実と幻想が私の予想に反して、面白いぐらいに奔放に、ああ、こうくるのか!と展開していきます。 私の思ったのとは違う展開もとても魅力的でした。 とんでもない事になっていくのにワクワクしている自分を感じて、そこも意外だし興味深かった。 そんな私はゴダール監督も大好きなのですが、この作品はそこまで解りにくくはない。 でも一筋縄ではいかない面白さと、一般人が理解できる解りやすさと。 そのバランスがとても良い。 絵画に例えれば、抽象的だけど写実もちょっとあるみたいなバランス。 私の今年のベスト映画のひとつになった秀作です。 アカデミー賞を取っただけあるなと思いますし。 賞を取ったから地方でもシネコンで上映されたのだから、とても有難いことだと観られて良かったです。 サムの笑顔がとても良かった。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-04-12 21:39:25)(良:1票)
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