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「家族ゲーム」で松田優作の持っている才気、何を考えているのか全く解らない不気味さ、恐さを見せてくれた森田芳光監督が再び松田優作とのコンビで撮って、確かこの年のキネマ旬報1位に選ばれた映画である。映像の美しさ、如何にも夏目漱石の世界といった感じがする作品になっているという意味では評価しても良いのだが「家族ゲーム」で見せてくれた才気、それは松田優作もだけど監督森田芳光にも同じことが言えるぐらい落ち着きすぎているのが物足りない。文芸映画なのでその点は仕方ないのかもしれないが、この二人のコンビならもっと才気溢れる映画が私は観たいし、見せて欲しかった。本来ならば5点か4点てぐらいの物足りなさも役者の演技は皆、素晴らしく、中でも藤谷美和子の素晴らしさあればこそ引き立つ悲劇的なドラマとしての男達の刹那さが異常なほど感じられる映画として評価を与えても良いぐらいの作品になっていることを思っての6点です。
【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-02-27 21:35:43)
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