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甘い生活 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 甘い生活
製作国伊,仏
上映時間174分
劇場公開日 1960-09-20
ジャンルドラマ,コメディ,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 これは物語というようなものがあるようであり、ないと言った方が良い。はっきり言ってハリウッドの大作にしか興味のない方は観ない方が良い。観たら間違いなく退屈で眠くなり、二度とこの監督の映画など見るものかとなること間違いなしです。色んな国の映画に触れてから見ることをお薦めしたい。それは他のヨーロッパの監督、例えばヴィスコンティやベルイマンの映画と同じでけして、楽しい映画ではございません。この監督らしい人間の孤独のようなものをイタリアはローマの美しい街並みとそこに流れる空気、それはこの映画の場合だとだらしのない主人公とそんな主人公に関わる女達、流れる空気はけして、甘くはない。むしろタイトルとは反対に人生は厳しく辛いものであるとこの映画を観ると思わずにはいられなくなる。厳しいこと、辛いことが多いからこそ人は幸せを求めようとするものである。主人公マルチェロは甘い生活を求め奥さん以外の女とも関係を持とうとするが、それにより自分も奥さんも別の女も不幸へとなっていく。人生に甘さを求めれば求めるほどどんどん苦しくなるというまるで映画のタイトルを皮肉ったかのようなどこまでも惨酷であり、ラストのあの魚の眼の不気味なまでの表情にこの映画の怖さが描かれているようであり、また、この映画の前半のグラマー女優シルビア(アニタ・エクバーグ)とマルチェロのやりとりなどはフェリーニ監督からのワイラー監督へのオマージュ、あの名作「ローマの休日」を思わせる。この監督のローマに対する拘りのようなものも感じることが出来る。何度も言うように笑ったりワクワクしたりと楽しい映画ではない。そういう楽しさだけを求める人には向かないということを覚悟の上に観ないと絶対に途中で見るのを止めたくなります。
青観さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-10-25 19:35:03)
その他情報
作品のレビュー数 43件
作品の平均点 6.28点
作品の点数分布
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124.65%
236.98%
336.98%
400.00%
5716.28%
636.98%
71125.58%
8613.95%
9511.63%
1036.98%
作品の標準偏差 2.44
このレビューの偏差値 52.88
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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