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《ネタバレ》 映画自体の出来(映像の良さ&役者の演技)は凄く良いのに、話そのものが面白くもなんともなく、主人公が非力で逃げまわる&隠れるのみで、おまけに感動の涙を誘うような泣かせる場面がほとんど無いという、ちょっと変わった作品です。ただ、「ピアノを弾くことしか取り柄がなく、それ以外においては全て凡人以下である」ということを自覚している主人公にとって、彼の行動はごく自然なものだと思います。彼(シュピルマン)にとって戦争は台風や地震と同じで、決して自分が望んだわけでもないし、自分の力ではどうしようもないものだから、とにかく我慢して、いつの日か過ぎ去ってくれるのを待つしかない、そして過ぎ去った暁には思いっきりピアノを弾こう、と思うに至ったのでしょう。これについては凄く共感できるし、自分も同じ立場(妻も子もいない独身)だったなら同じように考えたかもしれません。実際、当時こういう形で生き延びようとした人って(結果として生き延びたか死んだかは別として)結構いたんじゃないでしょうか。戦争映画というと、とかく「戦争を招き起こした凶人」と「命がけで戦い抜いた人々」にばかりスポットが当たりがちですが、こういう人物を描いたことには価値があると思います。
【長毛】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-04-14 02:09:56)(良:1票)
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