タイトル名	嵐が丘(1992)
製作国	英
上映時間	105分
ジャンル	ドラマ,ラブストーリー,小説の映画化

初見は「嵐が丘」らしくないと思えた。 薄く寂寥感が強いのは坂本龍一のムーアを吹き渡る風のような美しい曲のせいでもあるけれど、それが品ともなっていて原作のグロテスクなまでに濃厚な愛憎劇とはちがい、このあまり重たくないコズミンスキー版が好きな人もいると思う。　このヒースクリフ（レイフ・ファインズ）はイザベラ（ソフィー・ワード）を甘言でつったりはせず、財産狙いのならず者であることを隠そうともしないのに、イザベラは彼に屈してしまうのが面白い。 ジュリエット・ビノシュは火のようなキャシーと水のような娘キャサリンを演じわけ、ジェレミー・ノーサムは「エマ」のナイトリーとは対照的なヒンドリー。 3組のカップルから3人の子供が生まれ、その結びつきも通常の感覚とは異なるもの。 舞台はヒース生い茂る荒野（ムーア）だが、あえて石灰岩を敷きつめたような野にキャシーとヒースクリフを置いた画が、すでにこの世のものではないかのような幻想美。　シンニード・オコナーが作者エミリー・ブロンテに扮し、物語の外苑を歩む。

作品のレビュー数	25件
作品の平均点	6.20点
作品の点数分布	0 0 0.00％ 1 0 0.00％ 2 0 0.00％ 3 2 8.00％ 4 3 12.00％ 5 3 12.00％ 6 7 28.00％ 7 4 16.00％ 8 4 16.00％ 9 0 0.00％ 10 2 8.00％
作品の標準偏差	1.83
このレビューの偏差値	52.38 ※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値