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《ネタバレ》 まずタイトルが出るまでのオープニングがとても良いです(この冒頭部が最も好き)。〝全員悪人〟という宣伝文句に違わず悪人だらけで、カッターナイフから菜箸まで生々しく痛覚を刺激し目を覆いたくなるばかりに狂気で凶器が満ちており、もはや銃なんぞ映っても全く怖くならないほど暴力全開です。また各々別世界から集めたようなキャラクターもしっかり立っていて、髪を撫で付けず煙草プカプカでヘラヘラの椎名桔平の魅力は否定できないですし(警察署前の煙草ポイ捨てのやりとりが面白い)、加瀬亮の風貌といい英語ペラペラのインテリ具合といい漫画から飛び出してきたみたいなキャラクターももっと見せてくれと思わせます。それに頭パカパカ叩かれてもオトボケ顔の三浦友和(吠えない犬ほど噛む)、時代劇から出てきたような石橋漣司(彼の登場シーンは喜劇だが、この皮肉な笑いも残酷なものだ)、人が良さそうな北村総一朗と小日向文世(彼らこそ最も計算高い悪党だ)と一人一人が本当に良い味を出しています。しかも誰もが口を揃えて〝バカヤロー〟〝コノヤロー〟と言うので、これはコントでそのうちダンカンも登場するのではないかと思ってしまう一方で、とても冷め切ってもいる不思議な世界になっています。
・・・ただ、いつもより説明台詞が多いのが気になります(おそらく無くたって問題無いのだが)。例えば何処かの国の大使は完全にコメディーパートを勤めていますが、あの笑いはTVでやるようなしゃべくりによるものです。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-07-07 18:16:31)(良:1票)
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