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地獄の黙示録 特別完全版 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 地獄の黙示録 特別完全版
製作国
上映時間202分
ジャンルドラマ,戦争もの,小説の映画化,ロードムービー
レビュー情報
《ネタバレ》 いよいよトライ。なにしろ立花隆が本を書いたほどの作品である。
キルゴアとカーツが、対比して描かれる人物として、最も重要である。キルゴアを先に見せることで、コッポラは「なぜカーツは「キルゴア」にならなかったと思う?」と問うている。
「陽気」+「狂気」=キルゴアなら、「何」+「狂気」=カーツになるのか。私の答えは「まじめ」である。カーツの「まじめ」は妥協の無い「まじめ」である。普通の人は中庸であるのが常だから「ほどほどのまじめ」なんである。「ほどほどのまじめ」=「ほどほどの狂気」で済むんである。「まじめ」は美徳であるはずなのに、「+狂気」によって最悪の状態を呼んだのである。戦場におけるいろんな「狂気」を客観的に映し出すために、最後まで「正気」を保てるキャラが必要であった。ウィラードである。任務に疲れた彼が、ホテルで「プチ狂気」体験をすることが「ワクチン」となって、「正気」が担保されたのである。そして次から次へと正気を失いそうになる出来事が出現して旅は進んで行く。
立花は「王殺し」の物語を強調するが、「王殺し」とは、「権力を誇ったものが衰えたので殺され、新しく力強い王が誕生する」だから、この話には全然あてはまらない。「プチ王ごっこ」をやっているカーツごときは「王殺し」の「王」ではないし、だいいちウィラードは正気を保ったんだから新しい「王」になんかなる気がない。ウィラードにとっては「がんばって最後まで正気を保ったぞ」の物語であり、カーツとキルゴアにとっては「戦場の狂気」の注入によって、それぞれこんなんなっちゃった、のお話なのである。
パブロン中毒さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-09 23:13:30)
その他情報
作品のレビュー数 155件
作品の平均点 6.56点
作品の点数分布
021.29%
131.94%
231.94%
363.87%
4117.10%
52818.06%
61912.26%
72314.84%
82516.13%
91912.26%
101610.32%
作品の標準偏差 2.30
このレビューの偏差値 54.60
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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