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《ネタバレ》 とても退屈だった。
ポン作品は、脚本参加も含め、これでほとんど見ていることになってしまったが、これほどつまらなかったものはない。 私のカンだけれど、これは初長編監督作ということで、監督のコンプレックスが前面に出てしまったのだと思う。 それはなにかというと、「映画人として芽が出始め、これから世界に出ていくであろう自分が、アジアに育ったアジア人であること(アジア部分韓国でも可)」でしょう。 まあ簡単にいうと欧米コンプレックス。 「殺人の追憶」とか「グエムル」においては、韓国の「雑草性」に対する強い愛情と自信が感じられた。それを恥じることなく世界へ向かって堂々と表現できる彼が居たと思う。 たぶん「ほえる犬」の段階では、「雑草性」に対する愛情の部分より、恥ずかしく情けなく思う近親憎悪的感情が勝っていた。 それでどうなるかというと、「露悪的」になる。 「ほえる犬」の場合は、「オレっちの国では犬、喰いますけどそれが何か?」という(当時の彼にしてみたらそれが最強ネタだった)西洋文化へ向けた「露悪的」な開き直り、誰かに尋ねられる前に「オレは黄色人種だけどそれが何か?」「オレは韓国人だけどそれが何か?」と先に予防線を張ってしまう感じ、に出てしまったのだと思う。「ほえる犬」がまとまりもなくカタルシスも生まずパンチの効かない作品に仕上がったのは、とりあえずポン・ジュノは「犬食文化」が出せればそれでよかったから。 ある程度仕方がないことなのだろう。アジアに生まれたアジア人の宿命かも。 けれどポン・ジュノはその後近親憎悪を克服し、すばらしい作品を撮ったので「ほえる犬」は芸の肥やし的作品といえるだろう。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-06-19 14:13:51)
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