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《ネタバレ》 この白黒作品は中年男のラシュネー氏の物語ですね。中年男性の、格好付け、優柔不断さ、身勝手さを余すことなく描いた好作品です。奥さんと別れる際も、決して自分からは言い出さない。奥さんの言い出した提案にこれ幸いと乗っかってる卑怯者。まだ正式に離婚も成立しないのに、新しいアパートなんか勝手に決めちゃって「ここが僕らの部屋」なんていってれば、そりゃあニコルもひくでしょう。唯一この男性が決然としていたのは、ニコルが「時々会ってお食事でもできれば嬉しいけど」と言ったことに対して「ノン」と言い放ったときだけ。この手の男性を、殺しちゃうほど愛している奥さんの気持ちが不可解なぐらいです。トリュフォーは見事にダメ中年男を描ききっていますね。蛇足になりますが、モーテルでニコルが戸外に出したトレーの中の残り物に、ネコが近寄っていくシーンは、アメリカの夜でも使われてましたよね。これが、元のシーンなんだと思って感心しました。
【ひよりん】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-12 21:30:03)
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