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《ネタバレ》 世界初の全身麻酔手術の成功を支えた嫁姑の物語=それは女としての確執から生まれた偽りの「美談」であった。監督増村・脚本新藤なので高峰秀子と若尾文子(様)のバトルはもちろん凄まじい。ただそれ以上に私には華岡青洲を演じた市川雷蔵が印象に残り、極私的彼の演技ベストファイブに入れても良いと思う。『夫に尽くすという事・理想的な妻/母であるという事は時として夫の「我が侭/エゴイズム」に女性がしたがっているだけであって、そこには女性としての幸せや生きる意味はない=女性に隷属を強いる男の狡賢さ』という(私Nbu2が考える)有吉佐和子原作小説の主題を見事に体現している演技だから。リメイクにおける竹脇無我や三浦友和、最近の谷原章介は単に「麻酔研究に情熱を燃やす医学者」華岡青洲であって、そこに雷蔵が示した「理想や成功の為に妻や母を犠牲にしたエゴイスト(しかもそういった嫁姑の協力に甘えている?という感を出すのがまた凄い)」華岡青洲は、見えない。母親於継の死がナレーション(補足:杉村春子は文芸座でこの於継役をもち役としてます。)のみで片づけられたのも青洲の名声にとっては小事でしかない+女主人の座を得た様に見える加恵も最終的にはそんな小さな扱いで終わってしまう、という意図を込めてるのでしょう。うだうだと書いてしまいましたが少なくとも最近のリメイクよりはこっちの方が迫力等上。機会があればぜひ堪能してほしいのし!
【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-06-13 21:39:33)(良:2票)
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