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《ネタバレ》 きん(杉村春子)と田部(上原謙)の関係行く末のみを描写した林芙美子の原作(青空文庫で公開されてますよ~)と違い、この成瀬作品ではきんの昔の花柳界仲間(細川ちか子+望月優子+沢村貞子)の侘しい状況も描かれる。結局はそれぞれが愛する者から縁を切られる/薄くなっていくという孤独化まっしぐらな展開になっていくのだが、不思議と悲壮感を感じなかったのは旧作「稲妻(1952年)」と同じ。つまり杉村には(不安はあれども)情を断ち切って一人で立ち向かう「生命力」を感じるし、細川+望月だって失われたものは多かれど彼女らの「友情」は残っているという希望がある(望月のモンロー・ウォークは凄い)。原作ラストの絶望感(原作の田部=唾棄すべき男ですわこりゃ)と比べて好感度アップだし多少甘いがこの点数。加えて役者。もちろん皆様素晴らしいのですが今回は細川ちか子さんの存在感につきますな。気怠さというか倦怠感というか...確実に「陰のある女」として昔は人気だったのだろうという説得力がある。いゃ〜あ、良い映画見たなぁ。【追記】で、このレビュー上で「DVD化希望」と言ってはや5年。この度「あらくれ」「夜の流れ」と合わせてやっとこさ2021年にDVD化ですよ。この調子!
【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-04-11 22:54:02)
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