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不良番長 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 不良番長
製作国
上映時間89分
劇場公開日 1968-10-01
ジャンルアクション,シリーズもの,ヤクザ・マフィア
レビュー情報
《ネタバレ》 ※今回は作品単体、というよりはシリーズの総括という感じで確認下さいませ。
  参考書籍は杉作J太郎/植地毅氏の「不良番長・浪漫アルバム」【徳間書店】
 (これ数ある「浪漫アルバム」シリーズの中でも結構名著と思います)
  
・東映ピンキー・バイオレンスにはまり、ポルノ映画館に通い詰めだった若き日の私。
 お目当ての同時上映がだいたい決まってこのシリーズ。
 4年間に16本、というどんだけ作品出してんだよ!もういいよカポネ団!
 自分も何が何作目でどんな話かもうさっぱり。思わず苦情言った事がある。
 「興行的に時間つぶしになるし、単純に面白いし、何よりフィルムの上映料が安い!」
 とは映画館側の返事。ハァ、市場経済の中では優良なコンテンツなんですなぁ。

・映画館上映のすき間を埋める為に東映社長岡田茂が指示したのは
 なにしろ低予算。プロデューサー吉田達に指示し当時の製作費としては
 最低レベル。監督も外注ではなく、この作品が初監督作となる野田幸男。
 関西出身の野田監督「谷岡ヤスジの様にメチャクチャにしますよ〜」。
 上映当初は不評だったものの、観客にそのハチャメチャさが受けて
 社長岡田もその流れに乗った。で4年間に16作。

・私にとっての名作「0課の女・赤い手錠」('74)の監督でもある野田監督。
 ただ結局若くして亡くなられた為(97年、62才で逝去は若すぎる)、
 話を聞く機会は無かったが、先輩の石井輝男が良く講演会、上映ゲストで
 話してたのは「野田ちゃんは、あの作品で時流に乗った」という事。
 60年代後半の学生運動の高まり+邦画の斜陽化によるエログロ路線への移行、
 そして野田監督の才気が生み出したエネルギーによる賜物であった、
 てな話なのでしょう。
 【ただ石井監督は「会社のコマ」になってしまった野田監督が
  後年細かすぎるカット割りや予算を越えた映画作り=作家性追及
  の結果、岡田茂社長=東映から追い出された事も話しており
  収益性と芸術、両立の難しさも語っていたのが印象的でした】 

・撮影時のエピソードは上記の「~浪漫アルバム」に記載されてますが、
 もう凄すぎですな、こりゃ。神坂弘=生前の辰兄ぃのインタビューも
 記載されてますが、「(共演者たちに)撮影開始の時間だけは守らせた
 =開始までは遊んでも良いと認識してた」「女性にはもう飽きた」
 文脈の裏にはどんだけトンデモない事実があったか、という事ですよね。
 でもそんな作歴を「誇りに思う」という辰兄ぃだったからこそ、
 ダウンタウンの突っ込みを平然と受け、ロバート秋山の物まねも許容してた。  
 
「映画というのはあくまでも娯楽である」という事を徹底したこのシリーズ、
いちいち突っ込むのは野暮。とことん楽しもう。 駄文失礼しました。
Nbu2さん [映画館(邦画)] 5点(2021-11-10 11:02:46)
その他情報
作品のレビュー数 2件
作品の平均点 6.00点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.00
このレビューの偏差値 40.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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