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崖の上のポニョ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 崖の上のポニョ
製作国
上映時間101分
劇場公開日 2008-07-19
ジャンルファンタジー,アニメ,動物もの
レビュー情報
《ネタバレ》 難解な映画は勝手に解釈して楽しむのが自分の流儀。でも本作の場合は、どうしても監督の考えが知りたくなりました。今までの宮崎監督作品とは趣向が違うから。ワケが解らなかった。でも魅力的な映画でした。「5歳児が直感的に分かる映画」。探し当てた監督のインタビューを聞いて納得しました。“そういうつもり”なら、“こういう映画”になる。無数のチビポニョは命の源。その移り行く姿の神々しさ。「世界に穴が開いた」等の説明放棄にも合点がいく。どれも理屈ではなく感覚の方が理解し易い。ちなみに個人的に印象に残ったのは、ポニョのしたたかさです。一途なヒロイン像は宮崎アニメのオハコですが、ポニョの強さは際立っています。母親を探して涙する宗介のもとへ歩み寄るポニョ。その佇まいにハッとする。宗介は大人びていますが子供。(注:親を呼び捨てにしているのも在る意味幼稚さの表れ。)ポニョは幼く見えても大人です。2人は立っている場所が違う。女性の持って生まれた強さに男は到底敵わない。これも理屈ではありませんね。ただし監督が言うように、5歳児が本作を直感で理解できるとは思えません。結局は監督の経験則からくる思い込みじゃないかと思う。振り返ってみれば『ハウルの動く城』もそんな作品でした。大衆の支持を得る映画製作は、公約数を見つけるのと同じ。かつての宮崎駿は最大公約数を見つける達人でした。でも本作も含め、近年の作品は其処に意識が向いているとは思えない。タレント声優の起用にしてもそうです。でも、でも、でも、それでいい。本作を観終えてそう思いました。おさかなの波を駆けるポニョ。その極上の躍動感。これが宮崎アニメの真骨頂です。このワクワクを味わえる幸せを噛み締めました。これは大人も子供も関係ありません。やっぱり宮崎駿は天才アニメーターでした。本作が引退作でも自分は納得して拍手を送れます。むしろ、そう願う自分がいる。それほど「楽しむ余白の多い映画」だと思いました。『カリオストロの城』が在る頂とは、別の頂に在る作品。自分は死ぬまで本作で楽しめるでしょう。かつて『未来少年コナン』に心を奪われた元5歳児の感想でした。
目隠シストさん [映画館(邦画)] 10点(2008-12-08 18:36:47)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 252件
作品の平均点 6.08点
作品の点数分布
020.79%
131.19%
220.79%
3249.52%
4207.94%
55120.24%
63815.08%
74618.25%
83614.29%
9197.54%
10114.37%
作品の標準偏差 2.05
このレビューの偏差値 59.30
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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