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パコと魔法の絵本 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 パコと魔法の絵本
製作国
上映時間105分
劇場公開日 2008-09-13
ジャンルドラマ,コメディ,ファンタジー,医学もの,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
中島監督の前作『嫌われ松子の一生』のテイストを色濃く継承している本作。CGを多用したエフェクトも、色彩豊かな背景も、一見してパワーアップしています。見た目は華やか。でも作品としての力強さは前作に遠く及ばないと感じました。何故か。それは“人を描くこと”が不十分だからです。奇抜な衣装を纏い、どキツイメイクを施した“誰かさん”が、なにやら喋っている。そんな印象。パコ以外の人たちが、どんな表情をしていたのか思い出せません。顔は心を映し出す鏡。役者の表情をきちんとカメラが捉えなければ、どんな熱演をしても報われない。特にヒドかったのが小池栄子。牙と眼鏡で表情を殺しておいて、一体彼女にどんな演技をしろというのでしょう。本作の人物造形は舞台仕様だと思います。後列の客席まで役者の感情を届けるためには、衣装やメイクで情報を単純化するのは有効な手段です。でも映画はお客全員が特等席。舞台と同じ遣り方では大雑把過ぎます。繊細な感情を伝えられる映画の強みを活かさなければ、映画である意味がありません。しかも本作はピント外れな方向に力を注いでしまった。前作が素晴らしかったのは、中谷美紀演ずる松子の想いが、観客の胸に届いたからです。CGの装飾に観客は涙した訳ではありません。監督は其処を見誤ったのではないかと。ケーキの価値は、デコレーションの豪華さにあらず。スポンジ部分の旨さで決まる。監督には役者の技量を信じて欲しかった。幸いな事に、本作の演者はみな芸達者でした。手足を縛られた状態でもいい仕事をしてくれています。それなりの感動が味わえるのは、彼らの頑張りのお陰だと思います。正直、本作は失敗作だったと思う。監督にとって痛恨の一作ではないか。ただし、実写とCGキャラクターの融合を図った試みは評価したいです。次作での軌道修正を期待します。
目隠シストさん [DVD(邦画)] 5点(2010-03-08 19:47:52)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 92件
作品の平均点 6.53点
作品の点数分布
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111.09%
200.00%
344.35%
466.52%
51213.04%
62223.91%
71819.57%
81920.65%
966.52%
1044.35%
作品の標準偏差 1.75
このレビューの偏差値 45.02
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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