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《ネタバレ》 美しく、それでいて心に残る構図。俯瞰で覗き見るイメージのロングショット。其処はまるでお伽噺の世界でした。独特のセンスで彩られる映像美に、まずは魅了されます。どこまでもファンタジックでマンガチックな装いの中には、思わず笑みがこぼれてしまう滑稽さと、人の温かみと、予想外の猛毒と、そして現実の痛みが隠されていました。感情の4原色“喜怒哀楽”の何処に当てはめたらいいのか、自分自身見当がつきません。どうぞ映画の流れに沿って、気持ちを迷子にしてみることをお勧めします。“言葉で言い表せない、べらぼうに美味い極上の一皿”。それがウェス・アンダーソン映画と考えます。一度ハマったらもう抜け出せませんよ。天才コンシェルジュ・グスタヴ・Hと新米ロビーボーイ・ゼロの、信頼と友情の冒険譚は、人生の醍醐味という名の味付けが施されています。まさに人生万事塞翁が馬。作家に語らずにはいられない生き方が出来たのなら、今生を味わい尽くしたと胸を張ってよいでしょう。主人公が得た財産は、紛れも無く、金ではなく“記憶”です。
【目隠シスト】さん [DVD(吹替)] 9点(2016-04-25 20:29:31)
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