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《ネタバレ》 『家族のために』は魔法の言葉。おそらく人類史上、最も汎用性が高く、最も魅力的で、最も強力な行動原理となりうる概念と言えましょう。『惚れた弱み』『お国のため』『神のお告げ』なんて目じゃない最強呪文と考えます。当然ながら、免罪符としての効果は覿面です。例えば、空き巣狙い、万引き、病院立て籠り。“家族を守るため”という枕詞がつくだけで、犯罪行為が感動ドラマに早変わりするではないですか!しかしその一方、完璧な正義や、圧倒的な肯定力は、両刃の剣でありました。使い方を間違えると、とんでもないしっぺ返しを喰らう羽目に。坂道を転がるが如く、一直線に最悪の結末へ進む物語に震えました。それは主人公が思考を停止させ、可能性や選択肢を排除していたからに他なりません。我に正義ありと確信のある時ほど、自身の姿を省みる必要があるのかもしれません。予備知識も無かったため『モンスター映画』か『ゾンビもの』と高を括っていたところ、超シリアス鬱ドラマで、大いにへこみました。鑑賞の価値のありの見応えある作品ですが、緊急事態宣言が発出しているこんなご時世にわざわざ観る映画ではなかったと後悔しております。
【目隠シスト】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-04-10 19:24:18)
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