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《ネタバレ》 元エリート銀行員が田舎に左遷された事に端を発する物語を、カルチャーギャップやイデオロギー相違、そして淡いラブストーリーを軸にハーフミュージカル(歌うけど踊らない)&ハーフファンタジー(まるで『千と千尋』のような異世界感)で綴ります。タイトル『すくってごらん』=『救ってごらん』は、傷心の主人公に掛かる言葉だと予想しておりましたが、むしろ彼は救う側でした。主人公は『黒船』であり、鎖国中だった女性の心をこじ開け、再び本国に戻っていったという結末です。もちろん異文化交流は双方に刺激を与えるものですから、少なからず主人公の内面にも変化があった訳で、「数字は裏切らない」が口癖の彼から「数字にこだわっていたら誰も救われない」という言葉が引き出されています。矛盾する概念ではありませんし、多角的な視点を持つ事は有益に違いなく、今後銀行員として一皮剥けることが期待されます。人間的にも成長したことでしょう。多分。
ミュージカルとファンタジーの親和性の良さは『オズの魔法使い』で証明されているとおりであり、唐突な歌唱パートに違和感は無いものの、主人公の内面語りがセットとなっている部分が少々鬱陶しいかもしれません。というより、主人公のキャラクターが『都会から来たいけ好かない奴』から終始変化が無いため『感動』や『感慨』に繋がりません。素材となるドラマの薄さを、ミュージカル調で濃く味付けしたという印象を受けます。 (ここから先は赤寄りのモノノフとしての感想です)最後に百田夏菜子さんについて。週末ヒロインから映画単独ヒロインへ。黒髪の乙女の着物姿を拝見できただけでファンとしては得しかなく、さらに映画を通じてピアノスキル習得の機会をいただき、生駒吉乃としてソロ曲まで頂戴し、大変実りの多いお仕事でありました。心より感謝申し上げます。アイドルとは、歌って踊ってバラエティも演技もできるトータルファイター。本隊にはあと3人逸材がおりますので、どうぞ引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-11-03 21:52:25)
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