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《ネタバレ》 『チャイルド・プレイ』が公開された1980年代であれば、そして河崎実監督であれば、ぬいぐるみ感が否めないナマケモノの造形も奇想天外な能力もさほど違和感は無かったかもしれません。いや違いますね。珍品映画界の盟主・河崎実監督であってもナマケモノを殺人鬼に仕立てるなら、それ相当の言い訳を用意したはずです。突然変異、DNA操作、悪魔の憑依とか。スマホを操作し、自動車を運転し、真剣白刃取りまでしてしまう殺人ナマケモノを、何の説明も無く提供してしまう映画がクレイジーなのは言うまでもありません。ただ逆に考えるなら言い訳一つあればこの無茶な設定は成立しました。例えば「ナマケモノは宇宙人だった」としてみましょう。あら不思議。前述した数々の「そんな訳ねえだろ」から疑念が消え去ります。この辺の「味付け」はお客様次第と言われるなら別に腹も立ちません。好き勝手に解釈します。しかしナマケモノ(名前はアルファでしたっけ)が犯した殺人の数々が明るみにならなかったのは何故でしょう。自動車を運転できるなら殺人の隠蔽くらいお手の物でしょうが、学生が突然居なくなった事実は消せません。どうして誰も騒がないの?10日程の間に4、5人は殺された気がしますが。このあたりの事情はアメリカの大学生文化が分からないとちと辛い。学生が突然消えるなど日常茶飯事。「どうせボーイフレンドとしけ込んでいるんでしょ」(言い方が古い)と判断されたと推測しました。少なくとも大学の寮長を決める選挙に躍起になる感覚や謎の伝統儀式、あるいはスクールカーストを懐かしんだり嘲笑できたりする人向けの映画なのは間違いありません。やはり映画を楽しむには「教養」が欠かせません。そういう意味で本作を楽しむ素養が私には足りませんでした。河崎実作品で「珍品」は結構勉強したつもりなんですけど。
【目隠シスト】さん [インターネット(吹替)] 4点(2024-09-23 14:51:54)(良:1票)
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