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《ネタバレ》 ミステリー好き小学生だったかつての私。イメージの中のエルキュール・ポアロは"灰色の脳細胞"搭載の卵型お顔に口ひげ小男。まさにオリジナル『オリエント急行殺人事件』のポアロ(アルバート・フィニー)がどんぴしゃり。オリジナル『ナイル殺人事件』や『地中海殺人事件』のポアロ(ピーター・ユスティノフ)は大柄だし太り過ぎ。でも「こんなん違う」と思ったことはありません。基本供されたものは文句を言わず美味しく頂く性分ですから。とはいえ、ポアロと言えば前述のお二人のイメージが根強く、新シリーズのケネス・ブラナーを受け入れるまでに多少時間が必要でした。さっきと言ってることが違いますか。要するに刷り込みって影響大だって話です。そんな新ポアロも本作で3作品目。もう違和感などありません。立派な段々口ひげが何とも愛おしい。今回は探偵業リタイア状態から始まり、最終的に名探偵復活というファンには嬉しい仕立て。物語の方もアガサ・クリスティらしい着眼点のトリックで満足。これ、原作が発表された当時なら結構センセーショナルな動機とトリックだと思うのですが、現在だと割とよくある話だという。それだけ現代社会の方が刺激過多で荒んでいるのかもしれません。現代視点でみると「滅茶苦茶面白い!」ってことはありませんが、古典ミステリーとはそういうジャンル。なんせマイベストミステリーは子どもの頃読んだ「アクロイド殺し」ですが、今読んであの頃と同じ衝撃を味わえるとは思えませんもの。ですから、やや物足りない部分はあれど、古典ミステリーの映画化としては充分なクオリティを担保していると考えます。もちろん続編期待します。(余談その1)冒頭で「ミステリー好き小学生」と自供しましたが、そんなに読書家ではありません。私のミステリー知識の拠り所はポケット百科。小ぶりなのに、めちゃ厚。名探偵図鑑とか、トリック大全的な。昭和の小学生必携のアイテムでした。その挿し絵のポアロに一番近かったのがアルバート・フィニーだったという話です。(余談その2)日本の名探偵といえば、明智小五郎と金田一耕助が2大巨頭でしょう。ミステリー界の馬場猪木という認識。で金田一耕助役で真っ先に浮かぶのは誰でしょうか。石坂浩二?それとも古谷一行?どちらも「金田一耕助らしい」と感じますが、渥美清や西田敏行も金田一を演じているんですよね。前述したピーター・ユスティノフもそうですが「明らかにイメージが合わない役者が名探偵をやる」のは映画界の「あるある」なんでしょうか。あっ明智小五郎は満島ひかりもやってますね。これはイメージ云々を超えた規格外ですが。(余談その3)WOWOWさん、吹き替え版の提供ありがとうございました。
【目隠シスト】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2025-07-04 20:28:47)
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