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《ネタバレ》 正直、脚本の出来が良いとは思いません。物語の継ぎ手となるエピソードが不足しており、唐突な印象を受ける流れが散見されます。クライマックスにしてもそう。主人公が何故あのような行動を取ったのか分かり難いです。脚本を主体に採点すると、高得点は付け辛いと感じます。しかし映画の価値は脚本だけにあらず。本作の場合、それ以外の特長で作品の印象を随分と良くしています。例えば人物造形。飼い猫を欺こうとしたり、ガラス扉に鼻柱を押しつけてみたり、主人公は茶目っ気たっぷり。これがハードボイルドの代名詞、フィリップ・マーロウ?!ヤクザも奇天烈。いきなり愛人を空き瓶で殴り飛ばしたかと思えば、今度は全員裸になれですって?なんという理不尽さ。でも何故か怖くない。手下のオトボケぶりも可笑しいです。魅力的なキャラクターを取巻く環境がこれまたイカしています。まさかの『死霊の盆踊り』状態。あっけに取られました。ハードボイルドミステリーにコメディと不条理のスパイスが香る不思議な味わいでした。この雰囲気はたまりません。本作が松田優作の『探偵物語』の原型と聞いて納得です。
【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-24 19:26:00)
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