Menu
 > 作品
 > モ行
 > 盲獣
 > 目隠シストさんのレビュー
盲獣 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 盲獣
製作国
上映時間84分
劇場公開日 1969-01-25
ジャンルドラマ,サスペンス,小説の映画化,エロティック
レビュー情報
《ネタバレ》 キャストは3人だけですが、みな見事に乱歩ワールドの住人を演じてくれました。船越のねっとりとした真正のマザコンぶりには寒気がしたし、千石規子のキチ母像にも説得力がありました。そして何より緑魔子。正気を失っていく演技もさることながら、脱ぎっぷりがお見事でした。役になりきる演劇人の姿。裸の出し惜しみをしている人気女優のみなさんは、彼女の爪の垢でも煎じて飲むといいでしょう。緑魔子の妖艶な肢体なくして、本作は成立しなかったと思います。素晴らしかった。エログロ描写のさじ加減も絶妙でした。過ぎては一部の好事家向けになってしまうし、手ぬるいアプローチでは乱歩の毒は伝わらない。強いアングラ色を発しながらも、大衆性を失わなかった事を賞賛したいです。例えば四肢の切断シーン。スプラッター映画なら、大量の血しぶきと共に捥がれた腕を見せたでしょう。でも提示してしまったらそれ以上でも以下でもなくなる。直接的な残虐描写が幅を利かせている昨今、観客の想像力を利用した演出の優位性を再認識しました。乱歩の世界観を味わう映画としては、ほぼ満点の出来。洗練されていない美術セットや褪せたフィルムの色味も含めて、映画の味だと感じます。もしかしたら公開当時より30年経った今の方が、より鮮烈な印象を与えてくれる映画かもしれません。
目隠シストさん [DVD(邦画)] 8点(2010-05-13 21:08:41)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 20件
作品の平均点 7.20点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
415.00%
500.00%
6525.00%
7315.00%
81050.00%
915.00%
1000.00%
作品の標準偏差 1.17
このレビューの偏差値 55.88
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
盲獣のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS